583系の思い出。
先日秋田に残る残り1編成の583系が引退するとの発表がありました。
国鉄時代は日本各地で見られ、昼は特急、夜は寝台列車として走る画期的な車両で、
私自身幼少のころは常磐線沿線に住んでいたことから、ゆうづるとして走る姿を何度か見たことを記憶しています。
この車両のファンは多いはずなので、なんとか動態保存してもらいたいところでしたが、
最後の1編成の引退により実際に走る列車がなくなってしまうのは
非常にさみしい限りです。
やはり老朽化した車両のメンテナンスにかかる経費と収入ということを考えたら、
会社としては割に合わないということなのでしょうか。
主に夜走ることの多い車両ということで私自身なかなか乗る機会はなかったのですが、
実は一度だけ実際に走る583系に乗車したことがあります。
それは2011年4月。あの東日本大震災の翌月でした。
この地震により東北新幹線は寸断され、
普段は東京から1時間半弱と日帰りで気軽にいけた仙台が、
一気にとても遠い場所になりました。
そして4月12日、ようやく東北新幹線は東京から福島まで復旧。
そして福島から仙台までは在来線の新幹線リレー号が走り始めました。
私も当時、とあるインフラを守る仕事をしていたが故、
その復旧の仕事のために、ちょうどその時期に被災地に向かいました。
通常よりもずっと遅い速度で走る新幹線を福島でおり(当時はまだE4系が走っていた)、
そして、在来線ホームで迎えてくれたのは、この583系でした。
当時も既にもっぱらイベント用として運用されているこの車両が
新幹線リレー号として福島と仙台(首都圏と仙台)を結ぶ重責を担っていました。
福島駅で発車を待つ583系新幹線リレー号 2011年4月19日
予想外の出会いにとても驚いたとともに、
被災地を思う気持ちを抱えながら、
この列車に約1時間ゆられたのは今でも鮮明に記憶しています。
今回引退する最後の1編成は、まさにこの時お世話になった編成。
本当にお疲れさまでした。
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